5.25.2009

    ネットブックのヒットから見えること

    PCのスペックは、爆発的な進化をし続けている。
    世界初のPCであるアップルⅠから始まり、
    クアッドコアCPUまで進化してきた。
    月面着陸を果たしたアポロ十三号のコンピュータは、
    ファミコン以下というから驚きだ。
    しかし、近年この技術の進歩が一直線での進行では無くなってきた。

    最近、どこの家電量販店に行っても入り口には同じ物が並べてある。
    それは、ネットブックだ。
    ネットブックとは、様々な技術をウェブ上で動かすことが可能となった今、
    できるだけシンプルな機能で良いという理念のもと、
    ウェブブラウジングに必要なスペックのみをそろえた破格のノートPCである。
    実際にスペックを見てみると、
    一世代前のノートPCと同レベルの物が、軽量化されている。

    しかし、専門家は、このネットブックが使い物にならないと指摘する。
    低スペックなのに、販売店は十分な機能としてユーザーに販売しているからだ。
    しかし、彼らの指摘はこの現象の本質をつかんでいない。
    低スペックだから使い物にならないのではなく、
    低スペックで十分な層が存在しているのだ。

    実際に、文章作成とウェブブラウジング程度ならば、
    Core2などの高スペックCPUは必要なく、一世代前の物で十分である。
    技術は進歩しつづけているが、その需要は確実に減ってきている。
    このような用途でPCを使う人のスペックは、ここらへんで一度停滞するだろう。

    さらに、ウェブで扱う情報が、一通り出尽くしたことからも、
    ユーザーにとってこれ以上のスペックが必要ない事がいえる。
    現在、私が思いつく情報媒体として文字・映像・音の三種類がある。
    これらの分野において、一通り通信に必要な技術は完結したといえる。
    無論進化はし続けるが、
    それはいかに低レベルなハードで高レベルの情報を扱うかに絞られてくるのではないだろうか。

    しかし、高スペックのPCの需要は已然として高い。
    ただし、それはサービスを受ける側の人間ではなく、
    サービスや技術をつくる人間サイドでの話である。
    ウェブのリクエストを受ける側の人間は低スペックで十分だが、
    爆発的な情報化とPCの普及にともない、
    リクエストが殺到するサービス提供者側ではより高スペックが必要となる。
    あるいは、新技術の開発現場や理学の分野での需要については、
    当然のごとく高スペックのPCが必要とされる。
    つまり、サービス・技術供給者と受容者でPCスペックの二極化が起こりうる。

    このような事を考えると、ノートブックの需要はますます増えていき、
    高スペックのPCは淘汰されサービス・技術供給者のみが必要とするようになるだろう。

    以上本日のチラ裏でした。