(前書いて、そのままお蔵入りになりかけた雑記。いまさら感があるが、この話が近く出てたので。)
結論からいうとバーディー7話は、いわゆる「作画崩壊」ではなかったと思う。
これからその‘いわゆる’書いた理由等をずらずら…
そもそも「作画」ということばの定義自体が今あやふやなわけで。
最近アニメ好きの友人と話していると、どうしても話は「作画」にそれていく。
そこで自分がまず思うのは、
「彼は、作画という言葉をどういった意味で使っているのだろう」ということ。
いわゆる、「作画」という言葉が与えるイメージはこんな感じじゃないだろうかと。
・静的なもの(作品全体にわたる特徴)
・動的なもの(キャラクターの動き等)
「作画崩壊」といわれるのは、圧倒的に静的な意味でつかわれることが多い。
その中でも特に多いものはキャラクターの顔と体に関するものだ。
(キャベツなど特殊例もあるが)
キャラクターの顔と体に関する情報は、
萌アニメといったようなジャンルでは、圧倒的に重要である。
この萌アニメが増えてきたことによって、
「作画崩壊」という言葉をよく耳にするようになったのかもしれない。
では、動的な作画はどうか?
これに関する「作画崩壊」という言葉は、あまり聞いたことがない(もちろんゼロじゃない)
こういった時には、「動かないアニメだ」などと言われるが、
静的な作画崩壊と比べると圧倒的にバッシングがすくない。
なぜか?
それは、静的な作画崩壊というのは動的な作画崩壊とくらべて非常にわかりやすいからだ。
一目見ただけで、「これはバランスおかしいだろ」とコアな視聴者でなくてもわかってしまう。
すると当然の如くバッシングする視聴者は増えるのだ。
また前述の通り、最近の萌アニメでは、ャラクターの美しさ、かわいさといったものが、
作品を評価する中で重要なファクターになっている。
これもバッシングに拍車をかけているだろう。
作画を語る上で避けて通れないのがアニメータの話。
バーディーにかかわっているアニメータは見劣りどころか、
問題になった7話の作画監督やキャラデザのりょーちもを筆頭にかるく豪華。
(他のアニメーターについてはwikipedia等参照のこと)
彼らの過去作品はyoutubeなどで検索すれば見られるだろう。
そうすると、バーディーの制作スタッフから考えて、
技術的な問題で「作画崩壊」が起きた可能性は少ない。
過去に監督の赤根和樹とりょーちもはインタビューでこう語っている。
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――キャラクターデザイン/作画監督のとしてりょーちもさんが目指していきたい方向は?
ちも 自分の表現の幅をどれだけ広げられるか、新しい表現をどこまで追いかけられるかというのが課題ですね。現在の自分のパターンだけで完結すると、どんどん閉塞していっちゃうんで、こういうのはどうだろう?っていう挑戦の幅を広げていきたいなと思います。
赤根 りょーちものいたずら描き見てると、あ、こんなもん見てんのかお前はみたいな(笑)。絵の描ける子って言うのは、そういう、なんにでも興味を持つ好奇心が大切なんだなって思いますね。この世界は学校のテストとは違って「これが正解だ」って答えがないので、自分で決めつけないで試してみるのが一番じゃないかな。トライアンドエラーでいくらでも試せるのが面白い業界だと思うんで、試そうと思う勇気と好奇心があれば、それを失わないように!
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(アニメ新表現宣言! 新世代が魅せる未来のアクション『鉄腕バーディー DECODE』赤根和樹監督+りょーちも『ぷらちな』掲載のスタッフインタビューより抜粋)
このインタビュイーから察するに、7話の作画は制作陣の挑戦した新しい表現のような気がしてならない。
そしてそれは、視聴者には受け入れられなかった。
そう考えるのが自然な気がする。
次回の続きはその表現についてから…
参考資料
鉄腕バーディーDECODE02 作画
(問題のシーン)
静的な作画崩壊の例 (なのはstsより。作画崩壊とDVDでの修正)
おまけ
(キャベツ)